都市と農村 2018 12 24 Substitute holiday

 中国の経済格差は、激しいものがあります。
その格差は、アメリカを上回るほどです。
 急激な経済発展に伴い、
北京や上海では、不動産価格が高騰した結果、
「都市住民」の所有資産も高騰しました。
 それどころか、「都市住民」が、
「不動産投資家」になって、資産を増やしていました。
 たとえ借金で不動産を買っても、
価値が数倍になったので、
転売をすれば、借金を全額返済しても、
大きな利益が出たのです。
 一方、「農村住民」の生活は苦しいものがあります。
たとえば、2018年12月24日の読売新聞では、
このような記事がありました。
 ダム開発で、移転を余儀なくされた農民は、
農地を失い、少ない補償金のために、生活ができないので、
がれきの山の中から転売できるものを探す日々だという。
遠くには、建設中の高層マンションが見える。
 実は、日本でも似たような状態だったです。
タイムマシンで、1980年代後半の日本へ行ってみましょう。
 当時、日本は、バブル経済の時代であり、
やがて、日本経済は、アメリカに追いつくと言われました。
 しかし、農村部では、バブルに関係なく、
生活は苦しいものがありました。
 農村部では、稲作農家が多かったと思いますが、
バブル経済でも、米価が上がるわけではなかったのです。
 私は、そんな農家に生まれましたが、
自宅から車で20分程度の距離には、
鉄道の新駅ができて、駅前には多くのマンションが建設されました。
 そのマンションは、バブル経済の影響を受けて、
やはり、価値が高騰して、数年で買値の二倍になったそうです。
 そのため、マンションの住民には、
マンションを売却して、住宅ローンを全額返済して、
それでも、多額の売却利益が出たので、
その利益で、一戸建ての住宅を買った人がいたそうです。
 私は、そのような話を父にしたところ、
「地道にコツコツと働くしかない」と言っていました。
 新駅から車で20分程度の距離だったので、
「農地を売却して、住宅を建てれば、売れるのではないか。
そうすれば、農業経営は、少しは楽になるのではないか」と、
父に話したところ、
「ここら辺の農地は、農地法による、厳しい開発規制があり、
農地は、農民にしか売れないのだ」と言っていました。
 稲作農家の経営は、苦しいのです。
稲作で使うトラクターは、数百万円にもなります。
コンバインも、似たような価格です。
田植え機も買う必要があります。
しかし、米価は低迷している。
 稲作の収入は少ないのに、農機具の購入代金は巨額なので、
経営は厳しいものがあります。
 あれから、数十年が経過して、
農村では、農業従事者が高齢化するという問題があります。
稲作による収入は少なく、若者には、魅力ない職業でしょう。
 だから、最近では、外国人労働者の受け入れが、
議論されるようになったのかもしれません。
しかし、根本的な解決にはならないでしょう。
 バブル経済の時に、日本経済には、大きな余力があり、
税収にも、大きな余力があったので、
将来を見据えて、農村の問題も議論すべきでした。






















































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